【第2回】変わり続けるワークスタイルに対応するオフィス改革の進め方

こんにちは。事業開発室の小出(こいで)です。

前回の記事ではこれからのワークスタイルと今後のオフィスに求められることについて説明しました。

では、変わり続けるワークスタイルに対応するオフィスをどう作っていけばいいのでしょうか?本記事では「オフィス改革の進め方」について考えてみたいと思います。

巷には、機能性の高いオフィス什器も、先端技術を駆使したITサービスも数多く出てきています。その中で、何を選び実現するかは、オフィスが目指すものを踏まえて判断しなければなりません。目指すべきワークスタイルをふまえて、オフィス什器、フロアデザイン、ITサービスなどを総合的かつ統一感をもってデザインすることが必要です。もちろん、コストも大きな制約要素のひとつです。

現実的に、オフィスのデザインはオフィス家具メーカー、ITベンダー、デザイン会社などと相談をしながら進めていくことが多いですが、外部の企業は自分たちの専門外の領域についてはあまり知識がなく関与しないことが多いので、総務担当者が彼らを活用して統一感のあるオフィスデザインを作り上げていかなければなりません。多忙な総務担当者が、十分な時間をとれず検討不足のままデザインありきで「変化が見えやすい」「格好よい」フロアデザイン(フリースペースやオンラインブースの設置など)を進めた結果、使われないオフィスができてしまうケースも少なからずあります。そのような経緯でできたオフィスは、効果の検証もできないため、さらに今後必要な対応策を検討するためのステップにも進めません。

統一感のあるオフィスデザインを作ることが難しい

01. 理想とするオフィスデザインを実現するために

前回の記事で説明した通り、理想のオフィスとはワークスタイルの変化にあわせながら、下記のような「場」である必要があります。

  • 生産性高く業務に従事できる場
  • 信頼感醸成の場
  • 企業の文化や価値観を共有し共感する場
  • 相互主観性を生むコミュニケーションが促進される場

理想とするオフィスデザインを作る=オフィス改革のためには、下記の点が重要です。

変化に柔軟に対応しながら継続的な改善を行う

  1. オフィス改革で目指すワークスタイルを明確にする
    ミッションを実現し、目指すワークスタイルやマネジメントスタイルを支える環境が「オフィス」です。あるべきワークスタイルを明確にすることは、総務担当者だけでできることではありません。経営者、人事、事業部門など各部署との議論や意思疎通が必要です。あるべきワークスタイルを検討するためにプロジェクトを組む企業も増えています。どんな体制でワークスタイルを検討するにしても、そのオフィス改革によってどんなワークスタイルの実現を目指すのか、ということは明確にする必要があります。仮説や思想のない手段が先行したオフィス改革では結局使われない設備になってしまいます。
  2. 期待する効果を明確にする
    単純に〇〇できる場所を増やすといったオフィス機能面の目標ではなく、この施策は何を期待効果とするのかを明確にし、また対策実施後、その効果をきちんと測定する指標を作っておく必要があります。
  3. 統一感のあるデザインにする
    目的を達するためにオフィス什器、ITサービスの活用なども含めて統一感のあるオフィスをデザインする必要があります。拙速にフロアデザイン先行でオフィスをリニュアルしてもかえって使いにくいオフィスができてしまいます。
  4. 効果測定する
    指標としたデータを収集し対策の効果を評価します。
  5. 結果を分析し、改善点を明確にする
    評価結果とその時の環境をふまえて、改善点を明確にします。

一般的にオフィス改革の効果測定として上記の4つのアプローチがあげられますが、当社としては、まず1の物理的測定(オフィス設備の利用状況把握)を実施することをお勧めしています。利用実態を正確に把握することにより、期待している使われ方との差異がわかり、より有効に使われるための利用ルールの在り方、設備の過不足などが明確になります。また、利用状況にあわせて社員アンケートを分析することにより、各施策への評価やワークスタイルの現状も把握できます。オフィス設備の利用状況を把握したうえで、他のアプローチで得た結果を評価し施策に対する社員の感触を確認しながら、次の改革に向けて検討を進めていくことが理想です。

02. オフィス設備の利用状況把握について

オフィス設備の利用状況把握について

オフィス設備の利用状況を把握するために、種々のセンシング技術を使ったサービスも出てきていますが、それらはまだ高価で網羅性高く設置するには敷居が高い状況です。一方で各社とも会議室の予約管理システムは導入されていると思いますので、まずは会議室の利用状況を正確に把握することから始めたらいかがでしょうか?

会議室の利用データを分析し、オフィス改革に有効活用されている企業はまだまだ少ないと感じています。

利用している会議室予約管理システムによって得られる実績データは多少違いますが、次回の記事では当社の会議室予約管理システム(BRoomHubs)で取得できるデータを例として、データ分析およびそれに対する施策例について述べていきます。

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